今後の国内動画市場まとめ Vol.4~「Content is King」コンテンツの時代がやってきた!

皆様、こんにちは!UUUMの渡辺です。

先日はコンテンツ提供者がプラットフォーム側に進出しているお話がありましたが、それだけコンテンツ提供者の交渉力が高まってきているということなのかなと思います。当然、かつての米国のケーブルテレビや日本の放送網など、チャネル(販路)が物理的・法律的に制限されている場合は、チャネルを握っているプラットフォーマーが強い訳ですが、オンラインの普及等によりチャネルが多様化してくると、プラットフォーマー同士の競争が生まれて、コンテンツ会社の交渉力が相対的に高まってくるわけです。

 

数年前からコンテンツ会社によるケーブルテレビ会社への値上げが進行
米国ではそのトレンドは既に始まっており、視聴者の多い有力コンテンツを抱える放送局はケーブルテレビの会員数が減少する中で、その影響をオフセットするためにケーブルテレビ会社に対してライセンス料の値上げを要求し、ケーブルテレビ会社はこれを受け入れてきました。しかし、それも限界が見えてきたのか、コンテンツ会社自身が有料配信に参入したり、テレビで放送中の番組をOTTに提供したりし始めたのは先日ご説明した通りです。

アナリスト時代、4年前くらいに書いたソニーのレポートで「コンテンツ企業の逆襲がはじまる」という内容を書いた気がするのですが、一応そういう流れが来ているということでしょうか。ちなみに当時はソニーのコンテンツビジネスの未来は有望視しつつも、ハードウェアの将来を悲観視して、「売り」の投資判断をつけていましたが、今では予想が見事に外れて株価も大復活しました。

 

グローバルでの事業機会の拡大もコンテンツ会社にとってポジティブ
コンテンツ会社にとっての追い風はプラットフォーマーに対する交渉力の改善だけではありません。これまでデジタル化によって、1つのコンテンツをグローバルに配信できるようになったのもポジティブな流れです。UUUMに所属するクリエイターにおいても、無音で分かるコンテンツ(例えばメイク動画やおもちゃ動画等)は海外からの視聴が30-40%あったりします。また、特に音楽コンテンツはこれまで80%以上の市場は日本と欧米の一部の国の貢献で、他の国では海賊版の普及で売上貢献はほとんどありませんでしたが、Spotifyなど定額配信サービスの普及で、今後は新興国でも売上が拡大する可能性が出てきました。

2013年のグローバル音楽市場の国別内訳
(出所:https://themusiccompany.wordpress.com/category/music-sales/

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Kingになれるのは優良なコンテンツのみ
ただし、コンテンツであれば何でも良いというわけではなく、優良なコンテンツであることが極めて重要になっています。下記はSnapchat内の動画プラットフォームであるDiscoverのチャンネル一覧ですが、ここに採用されるかどうかがコンテンツ企業にとっては致命的な問題となってきます。また、米国では旧来メディアではない、デジタル発のメディアが台頭しているのも特徴です。特に動画の分野においては、VICE、BuzzFeed、Vox Media、Tastemade、などが評価を高めている印象があり、様々なOTTでも採用されています。TastemadeはFacebookで導入予定の新機能「Suggested Video」(ニュースフィードに動画コンテンツを差し込む機能)でも採用されています。

参考:SnapchatのDiscover上のコンテンツ一覧
(各種ウェブサイトより当社作成)

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国内でオンライン動画コンテンツを制するのはどこか?
一方、国内においてはソーシャルメディアやキュレーションメディアなど、コンテンツを拡散/配信する土壌は育ってきている一方で、そこに適したコンテンツは供給不足にある状況と言えます。こうした中で、ヤフーがBuzzFeedと提携したり、サイバーエージェントテレビ朝日と提携するなど、プラットフォーム側がコンテンツ側に参入する動きも出てきています。「Winner Takes All」の世界でどこが抜け出すのか、注目していきたいと思います。

それではまた!

今日のまとめです。

・米国では有力コンテンツ企業の交渉力が高まり、値上げが進行

・コンテンツ企業にとってはグローバルでの事業機会拡大もポジティブ

・ただし、多プラットフォームやグローバル化の恩恵を受けれるのは優良コンテンツのみ

・米国ではデジタル発の有力コンテンツ会社が台頭

・日本ではオンラインコンテンツはまだまだ供給不足状態