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今後の国内動画市場まとめ Vol.3~米国における一大トレンドに注目

皆様、こんにちは!UUUMの渡辺です。

 

先週は米国のケーブルテレビに関して書きましたが、実はその米国のケーブルテレビ業界で異変が起きています!皆さん「コードカッティング」や「OTT」という言葉を聞かれたことはありますでしょうか?

 

「OTT」の台頭で「コードカッティング」が進行

「OTT」は「Over The Top」の略で、インターネットを通じて多種多様な動画コンテンツを提供するプラットフォームのことで、代表的な会社はNetflixやHuluです。もともとこれらの会社は旧作ドラマや旧作映画(最近では新作映画も)を配信し、レンタルビデオ市場を侵食する形で会員数を伸ばしてきましたが、最近ではケーブルテレビには加入せず、Netflixのみに加入する若者も増えてきました。ケーブルテレビの契約を解除して安い契約に乗り換えること、これがいわゆる「コードカッティング」です。IHSの発表によると、2015年4-6月にはケーブルテレビと衛星放送合計の有料会員数は約66万人減少しました。Netflix等の影響による有料会員数の減少は数年前からみられるトレンドですが、ここにきてペースが加速している感があります。

 参考:Netflixの有料会員数の推移

(出所:Netflix発表資料より作成)

 

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参考:米国における有料放送テレビの会員増減数(折れ線が合計増減数のトレンド)

(出所:IHS http://press.ihs.com/press-release/technology/us-pay-tv-cord-cutting-fears-validated-subscriber-losses-q2-2015-ihs-says)

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放送中のテレビ番組の牙城はこれまで誰も崩せなかった

これまでテレビ番組に関しては、レンタルビデオにおいてあるような旧作ドラマ等はNetflixやHuluで提供されていたものの、現在放送中のテレビ番組は配信されてきませんでした。これはテレビ番組を提供する放送局とケーブルテレビ会社が持ちつ持たれつの関係にあり、放送局が積極的に番組をOTT陣営に提供し始めてしまうと、ケーブルテレビの解約が一気に進んでしまい、結果としてケーブルテレビからの収入がなくなってしまうという懸念があったからと考えられます(ケーブルテレビは収入の約35%をコンテンツ提供を行う放送局にシェアしている)。

 

しかし、ついにパンドラの箱は開かれた

ただ、そうした中でも「コードカッティング」の影響でケーブルテレビの有料会員数の減少が続いているため、昨年あたりからこれまでとは違う動きを取り始めるようになりました。コンテンツ提供者によるOTT(プラットフォーマー)への進出です。既にDisney、CBSなどの放送局がオンライン上で定額課金型の有料配信放送を発表しています。また、ケーブルテレビであるHBOが自らHBO NOWという形でOTTに参入する動きも出てきています。

参考:米国における主なOTTサービス一覧

(出所:各社ウェブサイトより当社作成)

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現時点でPlayStation Vueはオンライン版有料多チャンネルの最有力候補

中でも注目すべきはソニーで、これまではコンテンツ提供者として世界中の様々なケーブルテレビ向けにコンテンツを提供してきましたが、「Playstation Vue」を発表し、インターネット上での有料多チャンネル放送に参入しました。「Playstation Vue」は自社コンテンツのみならず、交渉によって米国のトップ20ネットワークのうち、History Channel、Lifetimeを除く18ネットワークを抑えており、まさにケーブルテレビに匹敵するラインアップを揃えてきました。更には、3日間のクラウド上での見逃し視聴も可能となっており、家にいなくても放送中の番組の見逃し視聴が可能となる点は既存のケーブルテレビに対しての優位性と言えます。

 

月額料金は50ドルと他のOTTサービスとしては少し高めですが、ケーブルテレビと比べると十分に安いため、どれだけ加入者を伸ばせるか注目に集まります。アップルも同様の有料多チャンネル放送を検討しているとの噂もあり、今後の動向が注目されます。

 

日本で有料定額動画サービスはどこまで広がるか

国内動画市場と言いつつ、ほぼ海外の話で終わってしまいましたが(汗)、日本でもNetflixが参入するなどオンライン有料定額放送が広がる兆しが出てきている中で、先をいく海外の動向にも注目していきたいと思います。ただし、海外では「高いケーブルテレビ→安いOTT」という流れに対して、日本はもともとテレビ視聴は「タダ」なので、テレビ視聴を置き換えるのはすぐには難しそうですが、まずはレンタルビデオの市場から置き換えていけるのではないかと思います。この辺はまた後日議論したいと思います。

それではまた!

 

今日のまとめです。

・NetflixやHuluの台頭で米国では「コードカッティング」が進行

・「コードカッティング」による将来の収入減を危惧した放送局(コンテンツ供給者)は「OTT」(プラットフォーマー)に参入。

・現時点ではソニーの「Playstation Vue」はポテンシャル高そう。

・日本でも有料定額動画サービスが広がり、まずレンタルビデオの置き換えが進みそう。