YouTuberのコンテンツはなぜ見られているのか?

皆様、こんにちは!

「YouTuberのコンテンツはなぜ見られているのか?」

YouTuberの視聴者のメイン層は確かに20代以下であり、30代以上の方々にとってはこの疑問を持たれている方は多いと思います。私もUUUMに入社する前はそうでした。
今回はこの疑問に対する個人的な見解を述べていきたいと思います。

まず皆さんはYouTubeではどういったコンテンツを視聴するでしょうか?特に30代以上の投資家の方々とお話をすると、音楽チャンネルやテレビ番組といったお話を伺うことが多いです。これは私も含めて30代以上の方はテレビ等の既存のメディアに慣れ親しんでいるので、その視聴体験の補完手段としてYouTubeを利用しているということかと思います。

ではテレビに慣れ親しんでいない世代はどうでしょうか?これを考えるにあたって、既にオンライン化が進んでいる記事コンテンツの消費行動を考えてみると分かりやすいと思います。普段皆さんはどういった形で記事コンテンツを視聴するでしょうか?昔であれば(今でも多いと思いますが)ヤフーのトップページから話題の記事を探していたでしょうし、もしくはお気に入りのニュースサイトなどをブックマークしている人もいれば、最近ではFacebookで友人がシェアした情報を消費する時間も増えていると思います。また、その後はリコメンドで勧められた記事をサーフィンすることも多いでしょう。

オンライン上の記事コンテンツは多すぎて自分にとって最適な情報がどこにあるか分かりません。したがって、上記のように信頼するキュレーションサイト(上記でいうヤフー)から探す、信頼するサイトを決めてそこで情報を視聴する、信頼する知人のシェアした情報を視聴する、といった形で視聴するコンテンツを決めます。

オンラインの動画の世界でも同様のことが起きています。YouTube上には当社だけでも約3万本の動画が毎月アップロードされており、もはやどこに自分が面白いと思うコンテンツがあるか分かりません。そこで、自分が信頼するチャンネルや友人に勧められたチャンネルの動画、その過程で出てきたリコメンド動画をひたすら観ます。テレビはそもそもチャンネル数が限られているため、あくまで番組単位で視聴するコンテンツを決めますが、YouTubeはチャンネル単位で視聴します。

YouTuberのコンテンツが視聴されるのは面白さからだけではない
ではなぜ視聴されるのがYouTuberのチャンネルなんでしょうか?当然視聴してみて面白かったから視聴し続けるということもありますが、視聴される理由は他にもあります。SHOWROOM株式会社代表取締役社長である前田裕二氏の著書「人生の勝算」で書かれている世界観が近いと思いますが、テレビ番組はテレビ局や制作会社、芸能人などプロの集団で作ったコンテンツであり、視聴者はコンサート会場で演奏を聴くような、完成されたエンターテイメントとして視聴します(したがってクオリティが低いと不満がたまる)。

一方、YouTuberのコンテンツは一人の人間が毎日コンテンツを制作して投稿しているものです。また、コメント欄を通じて作り手(YouTuber)とコミュニケーションをとることが出来るため、作り手の生活感や努力、人間性などを感じ取ることが出来ますし、それによりYouTuberに対する信頼、共感、応援といった感情が生まれます。YouTuberはその視聴者にとってより身近な存在となり、どこか居心地の良さのようなものを感じながら視聴します。例えて言うなら、YouTuberのコンテンツを視聴することは、自分に合った行きつけの定食屋を見つけて、そこに通い続ける行動に近いと思います。そこに通う人にとっては安心しておいしいと思える料理や雰囲気があるのですが、そうでない人にとってはそもそも知らなかったり、魅力を感じなかったりします。

オンラインの市場では究極的に視聴される動画コンテンツが二極化される可能性
個人的には絶対的に誰が見ても面白いと思える動画コンテンツとYouTuberに代表される属人的な動画コンテンツに二極化されるのではないかと考えています。前者の代表例はハリウッド映画やディズニー作品、スポーツ中継などであり、多額のお金がかかる一方で、多くの人が絶対的に面白いと思えるクオリティがあり、こういったコンテンツは従来先進国の人のみが視聴していたものを、オンライン化により新興国含めて全世界の人が視聴するようになり、間違いなく経済圏は拡大していくはずです。

一方、オンライン化によって動画コンテンツが溢れすぎてしまったことにより、拠り所とするチャンネルを見つける視聴スタイル、すなわちYouTuberのチャンネルに代表されるような、人間性含めて自分が信頼する作り手のチャンネルを見つけて視聴するスタイルも広がっていくと思います。

中途半端にクオリティの高い動画を作っていても、それを見てくれるファンが少ないチャンネルの動画はほとんど視聴されません。日々コンテンツを投稿し、視聴者と双方向のコミュニケーションを取り、継続的に視聴して応援してくれるファンを獲得していることが何よりも重要です。実際に、企業チャンネルでお金がかかっていそうな動画が数百回~数千回しか視聴されていない一方で、YouTuberの作った動画がコンスタントに数十万回~数百万回再生されていることが何よりも物語っています。

図表:オンライン上の動画コンテンツは無数にあり、視聴されるコンテンツは普遍的なコンテンツと自分がフォローするコンテンツに二極化される

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今回は文章だらけになってしまいましたが、最後までお付き合い頂きましてありがとうございました!皆様にうまく伝わったかどうかわかりませんが、何となくイメージをご理解頂けたら幸いです。

それではまた!

(ブログ再開)UUUMと芸能事務所の違いについて

皆様、こんにちは!

前回ブログを更新してから1年4カ月が経ってしまいました汗。
ただ、当社も上場してより多くの方々に当社のビジネスや事業環境についてお伝えしたいと思い、改めてブログを再開し、本ブログを通じて私なりの考え方をお伝えしていければと思います。
当ブログでは当社ビジネスに関する説明は今まで以上に行っていきますが、あくまでも開示情報をベースとした補足説明をするための場としたいと考えています。新しい情報に関しては法令に従って、東証ホームページや当社ホームページにおける適時開示を行っていく方針です。

 

UUUMは芸能事務所と何が違うのか?
早速ですが、これは投資家の方とお会いする中で一番多く頂く質問です。この質問に対する回答を今日は述べていきたい思います。
結論として、似ているところもありますが、基本的にはかなり違います。一番違うのは、当社がサポートしているクリエイター(YouTuber)と芸能人はそもそもやっていることは違うということです。それぞれテレビ業界とYouTubeでの役割を考えた場合、芸能人はテレビ番組制作の工程において原則として「出演」部分のみを担当していますが、クリエイターは企画、撮影、出演、編集を自ら行って制作し、それを自らのチャンネルに公開し、そこに対する視聴者のコメントに対して自らコミュニケーションを取ります。
すなわち、テレビ業界に例えると、クリエイターは芸能人というより「テレビ局(チャンネル)」そのものであると見方が近いと思います。

図表:クリエイターは芸能人というよりも放送局そのもの

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したがって、芸能事務所の対テレビ業界に対する役割は「キャスティング」であるのに対して、当社の役割は「クリエイターとともにコンテンツを発信していくこと」です。コンテンツカンパニーなんです。

余談ですが、当社のようなビジネスを海外ではマルチチャンネルネットワーク、略して「MCN」と呼びます。クリエイター一人一人をチャンネルと見立てて、それらをネットワーク化しているという意味でこう呼ばれています。当社の場合は海外MCNに比べて、専属クリエイターはマネージャー(当社ではバディと呼んでいます)をつけてがっつりサポートしており、またグッズ販売、イベント、ファンクラブなども運営していることから、芸能事務所的な側面もあることは否めません。しかし、繰り返しになりますが、「テレビタレントを育て、テレビに出演させること」を強みとする芸能事務所に対して、当社の強みは「動画クリエイターが必要なサポートを行うこと」や「次世代の動画クリエイターを育成すること」です。

図表:当社のようなビジネスモデルとは海外ではMCNと呼びます。

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バリューチェーンにおける位置づけ
当然ですが、オンライン動画において当社はコンテンツプロバイダーの立場ですので、テレビ業界における芸能事務所とはバリューチェーン上のポジショニングも違います。
下図は日本テレビホールディングス株式会社の2016年度通期業績のIR資料をもとに作成した放送収入の内訳です。テレビ広告全体も同様の構造と推定できますので、テレビ広告費(2兆円)の内訳として記載しています。芸能事務所が受けとるのは全体の37%を占める番組制作費の一部を出演料として受け取ります。
一方で、YouTubeではYouTubeが受け取った広告収入のうち、一定割合が当社およびクリエイターに還元される形になります。

 図表:テレビ広告とYouTube広告のバリューチェーン

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(出所:日本テレビホールディングス株式会社の2016年度通期業績のIR資料をもとに当社作成)

 

最後までお付き合い頂きましてありがとうございました。
以前と違い、更新頻度は不定期なる予定ですが、当社を理解して頂くにあたっての情報を発信していきますので、引き続きよろしくお願いいたします。

Newfront特集第2弾!オリジナル動画への投資が活発化。

皆様、こんにちは!

今回は先週に引き続き5月2日~13日にニューヨークで行われた「Newfront」についてまとめていきたいと思います。

DanceOnは「踊ってみた動画」で音楽プロモーションを支援する取り組みを開始

最初にご紹介するのはDanceOnです。DanceOnはこのブログで紹介するのは初めてですが、ダンス動画を専門に扱っているMCNです。

同社は今回のNewfrontでダンスのジャンルだけでなく、音楽のジャンルにもっと参入していくという発表をしました。具体的には、新会社として「izo」を設立し、この新会社を通して新しい音楽アーティストのブレイクを支援したり、企業タイアップを提供したりしていくという内容です。既に音楽アーティストの支援にでは大きな実績を持っており、昨年は「Watch Me (Whip/Nae Nae)」という曲でDanceOnのクリエイターに「踊ってみた動画」を作らせたところ、BillboardやYouTubeのトップチャート入りするまで押し上げました。

「Watch Me (Whip/Nae Nae)」の公式PV

(2016年5月26日時点で8億6585万再生)

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DanceOnのクリエイターによる「踊ってみた動画」

(2016年5月26日時点で1億5713万再生)

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最近の事例でいうと、「Lean and Dabb」という曲をYouTubeで検索すると、トップ出てくるのはVEVOの公式動画と公式ダンス動画ですが、その下にはDanceOnのアーティストによる「踊ってみた動画」がずらっと並んでおり、それぞれ数十万~数百万回再生されています。

 

Whistle Sportsは6つの新シリーズを発表

次に紹介するのはWhistle Sportsです。Whistle Sportsはスポーツ専門MCNで、スーパープレイ動画やレッスン動画、プロリーグの試合(どちらかといえばマイナーなスポーツ)、プロ選手の動画ブログ的なものなど様々なスポーツに関連する動画を抱えるネットワークです。

Whisle Sportsの人気クリエイターの「Dude Perfect」の動画

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今回のイベントの中では以下の6つの新たなシリーズが発表されました。どういう内容かはまだ分かりませんが、個人的には結構好きな動画が多いネットワークなので楽しみです。

  • Battlegrounds
  • Legends of Dunk
  • 50 Large
  • Crushing History
  • Hall of Gamers
  • #WorldTrickshotDay

 

AwesomenessTVは既に31のプラットフォームにオリジナル動画を展開
最後にご紹介するのはAwesomenessTVです。AwesomenessTVは抱えているクリエイターの数こそ多くはないですが、クリエイターを活用したオリジナル番組を多く手掛けており、会社側によると既にAppleTVやGo90含めて31のプラットフォームに動画を展開しているようです。YouTube Red Originalsにも「Foursome」と「Dance Camp」の2作品を既に提供中です。

AwesomenessTVのYouTubeチャンネルのチャンネル登録者は384万人いて、僕の知る限り全てのMCNの中で最も大きい自社チャンネルを持っています。

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今回2つの新たなシリーズを発表しました。

  • 「Royal Crush」:YouTube向け
  • 「Guidance」:Go90(VerizonによるdTVのような定額配信サービス)向け

また、上記以外にもMLBとのコラボによる新たな番組にも取り組んでいくと発表しており、若者層を取り込むような内容にしていくとのこと。もはやMCNを超えてインフルエンサーを活用した番組制作スタジオですね。

MCNごとに色々な戦略が見れて興味深かったですが、各社共通していることはクオリティの高いオリジナル動画に注力していて、それを動画プラットフォームや広告主向けに売り込む動きが活発化してますね。

それではまた!

 

動画業界の一大イベントNewfrontが開催!

皆様、こんにちは!

5月2日~13日にかけてニューヨークで「Newfront」というイベントが行われていました。もともと「Upfront」という放送局が新シーズンの番組編成を発表し、番組内で放送されるCM枠の前売りを行うイベントが3月~4月にかけて行われるのですが、Newfrontはそのデジタル版のイベントで、主要オンラインメディアが広告主向けに今後取り組むコンテンツを発表するイベントとなっています。
登壇企業は以下の通りで、大手のオンラインメディアはほとんど参加しており、大手のMCNも多く参加しています。

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今回はその中でも気になった内容をいくつかまとめてみたいと思います。

Maker StudioはSpark Programから4つのオリジナルコンテンツを発表
Spark Programは今年2月に発表されたプログラムで、クリエイターが作りたい動画のコンセプトをプレゼンテーションし、Makerが可能性を感じたコンテンツに対して投資するというものです。既に34人のクリエイターの100以上のコンテンツに対してGoサインを出したことが発表されてますが、そのうち4つのオリジナルコンテンツが発表されました。

Spin For Ink:ゲストがゲームにチャレンジし、勝てば希望通りのタトゥーが、負ければ罰ゲームタトゥーが彫られる番組

www.youtube.com

The Remember Hour:2人のキャラクターRashとSkidが子供向けに歴史を教える番組

www.youtube.com

Worthy:Charisma Starが視聴者の夢をかなえる番組

www.youtube.com

Can I Crush It?:Kali Muscleが怪力で様々なものを破壊できるかチャレンジする番組

www.youtube.com

Defy Mediaは今年30の新たな番組をスタートさせると発表

Defy Mediaの月間再生回数は8億回とネットワークとしてはそれほど大きくないですが、Smosh、ScrenJunkiesなど複数の大型チャンネルを抱えています。今回は主要チャンネルにおける6つの新たな番組が発表されましたが、今年年間で30の新たな番組をスタートさせるとのことです。

MachinimaはeSportsの可能性を強調、Mach-1とMachinima Preferredも発表
Machinimaは今後いかにeSports市場が有望かを強調する内容でした。以下、Machinimaが発表した市場予想です。

  • eSportsの観戦者は2016年に188百万人から2020年には302百万人へ広がる見込み。
  • eSportsの市場規模は2016年に910百万ドルから2020年には1,300百万ドルへ広がる見込み。
  • 現在のeSports市場はアジア(333百万ドル)が最も大きく、次に北米(276百万ドル)、欧州(266百万ドル)と続く。

同社は広告代理店や広告主向けデータ分析ツールのMach-1も発表しました。Mach-1はMachinimaが抱える視聴者のデータ分析やインサイトを与えるツールで、同社によると、これから友達とゲームをする予定で、ファストフードを買う可能性が高い視聴者の情報を提供することなどが可能になるようです。
また、同社はMachinima Preferred Media Solutionsという広告主が適切かつブランドセーフなMachinimaの視聴者セグメントに広告を打てるような広告ネットワークも発表しました。

新旧コンテンツの境目がなくなりつつある

アメリカだと既にデジタルの世界でもテレビの世界と同じようにスポンサー探しが行われてるんですね。先日、The Wall Street Journalで、大手広告代理店のInterpublic Groupによると、250百万ドルに相当するGoogle Preferred(Googleが「人気」と「視聴者のエンゲージメントの深さ」を中心とするアルゴリズムでランク付けし、上位5%を選出しパッケージしたいわばYouTube上の「プレミア広告枠」)をテレビ広告からの予算シフトにより買い付けたというニュースが報道されました。テレビ自体もオンライン化しているので、テレビ広告というよりも旧来テレビコンテンツ→デジタルコンテンツへのシフトといった方が正しいかもしれませんが、いよいよ境目がなくなってきている気がします。

今回は一部でしたが、来週はまたこの続きをご紹介したいと思います。

それではまた!

Amazon Video DirectはYouTubeの対抗馬となるのか!?

皆様、こんにちは!

既に色々なところで報道されていますが、先日Amazonが動画投稿サービスの「Amazon Video Direct」を発表しました。アメリカ、ドイツ、オーストリア、イギリスに加えて、日本でもスタートしています。YouTubeの対抗サービスと報道されていますが、一番のポイントは広告付き無料動画だけでなく、買い切り型、レンタル型など様々な課金形式が選べるところです。既にメニューごとの還元率も発表されており、まとめると以下の通りです。

① YouTubeと同様に広告付き無料動画配信:広告収入の55%を還元
② プライムビデオ会員への無料配信:1時間視聴される毎にアメリカで15セント、それ以外の国で6セントを還元(年間$75,000が上限)
③ Amazonでデジタルコンテンツとしてレンタルor販売 :販売価格の50%を還元
④ ストリーミングパートナープログラム(追加サブスクリプション)を通して販売:販売価格の55%

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動画投稿までのハードルは高く、プロフェッショナル向け

実際に利用してみた感想としては、登録時に所属する会社情報含めたビジネスアカウント情報や口座情報、税金申告のための情報などの登録が必要であることから、YouTubeよりも動画アップロードまでのハードルはかなり高くなっています。そのため、一般ユーザーというよりもプロフェッショナルな動画クリエイターをターゲットにしたサービスであると思います。

既に大手企業の参加者として、様々な企業名が挙げられていますが、MCNではMachinima、Stylehaul、Kin Communityなどどちらかというとジャンルに特化していたり、プレミアムコンテンツに注力していたりする企業が初期パートナーとして参加している印象です。

そもそも一般ユーザー含めて自由に投稿できる広告課金型プラットフォームはYouTubeの独壇場であるため、YouTubeと重なる投稿者をターゲットとするのはあまり良い戦略とは言えず、より上位のプロフェッショナルクリエイターを狙っていくのは自然な気がします。

一方で、有料販売や有料レンタルが出来るようなプロフェッショナルなコンテンツを作れるクリエイターからしても、YouTubeは視聴者獲得には最適なプラットフォームであるものの、広告課金であるためにマネタイズの面では物足りない部分があります(YouTubeでも有料販売機能はあるものの、無料コンテンツに埋もれやすい)。実際にYouTubeクリエイターが有料プラットフォーム向けにオリジナル番組を提供する事例なども出てきており、もっとマネタイズしたいというニーズはあるように思われます。
米国ではこれまで映画やテレビのような長尺プレミアムコンテンツはNETFLIXやHulu、無料コンテンツはYouTubeという構図がありましたが、YouTube上のコンテンツのクオリティーも上がってきていることから、前述のようにYouTube上のクリエイターが有料プラットフォームに進出する傾向が出てきており、今回の「Amazon Video Direct」はまさにこの間の領域を狙った戦略のように見えます。

対ユーザーにはどうコンテンツを整理して見せていくのか?
集まったコンテンツを消費者のどう見せていくかも気になります。通常売り切り型のプラットフォームや定額課金型プラットフォームはプラットフォーム側がコンテンツを選定します。それはコンテンツのクオリティを担保し、ユーザーの満足度を高めるためかと思います。しかし、今回の場合はクリエイター側が売り方を選べるために、例えば僕が作ったしょうもない動画がAmazonプライムのラインアップとして並んだり、動画販売コーナーのラインアップとして並んだりということが起きてしまう可能性があります。
当然、アルゴリズムにより、人気のないコンテンツはユーザーの目の届かないところに追いやられることになるのでしょうが、これまでの売り切り型動画サービスや定額課金型動画サービスはユーザーの期待値として「優良なコンテンツがある」という前提で見られているので、しょうもないコンテンツが少しでも混じっていた時点でかなりユーザーエクスペリエンスを損なう可能性があります。

僕自身はプライム会員ではあるものの、物を買うためにAmazonを訪問することはあっても、動画を見るためにAmazonのサイトに訪問することはそんなにないので(僕だけかもしれませんが笑)、そもそもAmazonが既存のユーザー層のアセットを活かして、どの程度動画視聴者のトラフィックを集められるかもポイントですね!

それではまた!

皆様、こんにちは!
遅くなりましたが、昨日発表されたFacebookの決算についてまとめたいと思います!

まずは数字のサマリーです。
売上高は前年同期比52%増、営業利益は前年同期比115%増と引き続き前四半期からの高いモメンタムを維持する好決算で、株価は時間外で8%上昇しました。また、主要KPIであるDAUも前年同期比16%増と引き続き高いモメンタムを維持しており、ユーザーあたり売上は前年同期比33%増と大きく増加しています。

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2013年3Q以来初めて広告在庫数がプラス基調に

広告売上の主要KPIである広告価格と広告在庫数に関して、広告価格は前年同期比5%増、広告在庫数は前年同期比50%増と発表されました。広告価格は上昇基調はほぼ落着き、PC→モバイルへのシフトの影響はほとんどなくなってきた印象です。引き続きPCの広告在庫数は減少が続いているものの、モバイル広告在庫の増加により広告在庫数は大きく成長しています。

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ライブ動画強化の目的はYouTubeとは異なる
今回、動画の視聴回数や視聴時間などのアップデートはありませんでしたが、動画に関してはコンテンツとしての動画ではなく、コミュニケーションツールのための動画としてライブ動画や360度動画に対する将来性を期待していたのが印象的でした。

確かにYouTubeもライブ動画を強化するなど、やっていることは一見同じに見えますが、YouTubeはコンテンツとしてライブ動画ならではの限定感やライブ感(視聴者みんなで盛り上がれる)というのが主な目的であるとみられるのに対して、Facebookはコミュニケーション手段の延長としてライブ動画に期待しているという印象です。

 

会社側によると、世界中の人が1日に平均約50分もFacebook、インスタグラム、メッセンジャーを利用しているとのこと。WhatsAppは含まずにこの数字なのですごいですね。なお、MAUはインスタグラムが4億人、メッセンジャーが9億人、WhatsAppが10億人以上とのこと。それだけ当たり前のように利用されるアプリになっているため、日常の中でライブ動画を使うチャンスも多い気がします。

 

一方で、Instant Articlesに代表されるようにプロフェッショナルコンテンツの強化・取り込みにも注力しており、「友人がシェアしたものを見る場」「自分がフォローしているものを見る場」「自分が好きであろうものを見る場」として成熟化していっている印象です。広告の観点からしても、かなり細かくオーディエンスデータを抑えており、動画広告強化で広告単価の上層余地もありそうです。将来的にはSNSの世代交代の問題はあり、その対策の一環として買収したWhatsAppをどうマネタイズしていくかという課題はありますが、当面はFacebook黄金期ですね。

 

それではまた!

みなさん素敵なGWを!!

Google決算速報。売上好調も市場予測を下回り株価は6%下落。

皆さん、おはようございます!

今朝、Googleの親会社であるAlphabetが2016年1Q決算を発表しましたので、まとめてみました。

売上高は前年同期比17%増加とほぼ前四半期並みの成長率を維持しましたが、売上から提携メディアへの費用(TAC)を除いた純売上は前年同期比18%と前四半期から成長率は鈍化しています。会社側は引き続きモバイル検索広告が牽引していることに加えて、YouTubeやプログラマティック広告が好調だったことを背景として挙げておりますが、モバイル広告やプログラマティック広告のTACが相対的に高いために純売上の伸びがグロス売上に比べると伸びが弱かった模様です。決算自体は好調ですが、決算数値が市場予想に届かなかったことを受けて、引け後の株価は6%近く下落しています。

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また、会社側が公表するKPIである課金クリック数やクリック単価の推移は以下の通りで、課金クリック数はYouTubeのTrueViewの好調が寄与することで高い成長を示している一方、TrueViewの単価は想定的に単価が低いTrueViewの比率が高まることで引き続き減少傾向が続いています。

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YouTube Originalsがスタート。Google Preferredの広告主は倍増。
今回の決算電話会議においてYouTubeの視聴時間等のデータは開示されませんでしたが、YouTube Red向けオリジナルコンテンツであるYouTube Originalsがスタートし、既に6本の番組が始まっており、今年1年で15-20のオリジナル番組をスタートさせる計画とのこと。出だしの反応は良好の模様です。
またYouTubeの広告収入が好調な要因としてGoogle Preferred(YouTubeで高いエンゲージメントを見込める人気チャンネルを切り出して優良広告在庫として広告主に販売する取り組み)の寄与も挙げており、米国におけるGoogle Preferredの広告主数は前年から倍増したとのこと。

「モバイルファースト」から「AIファースト」へのシフトを加速
動画とは直接関係ありませんが、電話会議の中で今後世の中が「モバイルファースト」から「AIファースト」の世界に変わっていく点や、Googleが開発面で他社をリードしている点が強調されました。既に検索エンジンや画像検索、Google MapなどにはAIが活用されていますが、昨年末にはユーザーに変わって自動的に返信文を提案してくれるSmart Replyをスタートし、今四半期にはGoogleカレンダーにAI機能を組み入れ、例えば毎週3回走るという目標を設定すると、最適な時間帯を探してくれるといった機能が実現しているとのこと。モバイル(=GoogleやAppleのOS)を使うのがもはや当たり前になりましたが、AI機能を使うことが当たり前になると、ますますGoogleに日常生活を支配されそうですね(苦笑)。

それではまた!